でんぷんは古くから米やパン、麺として用いられ、私たちのエネルギー源として食を支えてきました。しかし食生活の多様化に伴い、使用上の問題が生まれました。それに応じた新たな機能を付与したでんぷんが開発され、レトルト食品や冷凍食品、さらには健康食品へと裾野を広げています。

古来よりでんぷんは接着剤や粘結剤として使用されてきましたが、二十世紀に発展した石油化学による合成の高分子が様々な分野で使用されるようになりました。しかし、加工でんぷんは現在でもなお数多くの特化された用途で使用され続けています。また、現在は、環境問題に対応する素材として見直されています。

化粧品業界では消費者の安全性への知識が高まると共に、生体組織に近く、より安全で機能性の高い、自然感覚の商品が注目を集めています。環境に配慮したでんぷんは、増粘効果によるエマルジョンの安定化だけではなく、シャンプーやトリートメント等の基材に幅広く使用されています。

製薬業界では品質の確保をはかる目的としてＧＭＰが実施され、より高品質化が進むとともに、日本薬局方収載品の使用が一般化されており、それに応えるでんぷん製品を用意しております。

農薬は自然界に影響を及ぼさない安全なものが求められ、加工でんぷんが有用な素材として応用される分野が広がっております。

漁業資源の減少が問題となっている今日、食糧の確保を目的として養殖事業の重要性が増しております。